月の軌道上に数10万人がくらす都市をつくる

宇宙空間に地球と同じような環境をつくり、数万人から数十万人もの人が住む都市を建設しようという計画があります。これをスペースコロニー構想といいます。月の軌道上には、月と地球の引力のつり合ったところがあり、そこにスペースコロニーをつくることができるとされています。このコロニーの内部には、空気も水も運び込まれ、山や湖もつくられます。コロニーを回転させて人工的に重力もつくるので、人々は立って歩くことができ、ふわふわ宙に浮くことはありません。こんな夢のような構想がもし実現されれば、将来スペースコロニーで生まれた人たちが地球へ観光旅行にやってくるという時代がくるかもしれません。

「地球から出て、広大な宇宙で多くの人類が永住できる人工の生活圏を建設しよう」というスペースコロニー(宇宙植民島)の構想──この構想をはじめて提案したのは、アメリカのプリンストン大学のオニール教授です。彼にこの考えが浮かんだのは、1969年のアポロ飛行士の月着陸の成功のときだといわれています。

http://spaceinfo.jaxa.jp/ja/space_colony.html

新宇宙ステーション建設計画 日本は居住棟担当

NASAと日本のJAXA、それにESA=ヨーロッパ宇宙機関などは、月の軌道を周回する宇宙ステーションを、7年後の2026年を目標に建設する計画を進めていて、11日、各国の分担案を発表しました。

「ゲートウェイ」と呼ばれるこの宇宙ステーションは、大きく分けて10の部分や装置で構成され、このうち日本はESAと協力して、宇宙飛行士が滞在する「居住棟」を担当することになりました。

日本はこのほかにもNASAと協力して宇宙ステーションに物資を運ぶ手段の開発を担う計画です。

月を周回する宇宙ステーション「ゲートウェイ」の計画でJAXA=宇宙航空研究開発機構は居住棟と輸送船を担当する見通しとなり、JAXAの若田光一理事は「物資の補給の技術や有人滞在技術などを柱に計画に貢献していきたい」と述べました。

https://www.nhk.or.jp/d-navi/sci_cul/2019/03/news/news_190312/

2020年、火星で酸素生成 NASAが挑む居住への第一歩

人類が火星に降り立ったとき、そこに建設する基地、あるいは住居は、どのようなものになるのだろうか。火星の住まいに求められる条件とは何だろうか。

まず火星は、気温の差が極めて大きい。赤道付近の気温は30℃前後だが、極付近ではマイナス140℃の超低温になる。なお悪いことに、火星の土壌には甲状腺の機能に悪影響を与える有害物質の過塩素酸塩が高い濃度で含まれている。人にやさしい場所とは言いがたい。さらに、大気がうっすらとしかないため、火星の地表で活動する人間は、致死的なレベルの宇宙放射線にさらされることになる。地球のようなオゾン層はなく、大気圧も総じて低いため、地面には常に強い紫外線が降り注ぐ。宇宙医学の専門家は、火星での探査作業に携わる宇宙飛行士たちの放射線被曝(ひばく)に関して以前から警鐘を鳴らしている。

2020年に予定されているNASAの火星探査車ミッションでは、植物が酸素を作り出す過程を再現できる「MOXIE」と呼ばれる特殊な装置が搭載されることになっている。

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO11498760Q7A110C1000000/

宇宙環境と居住空間の新しい関係性の構築(PDF)

スペースコロニーは、人口爆発や地球環境問題等を解決する方法の一つとして検討されてきた。その多くは、宇宙に地球の擬似環境を造り、数万人を収集する都市として計画されている。また今後、人類の生活の発展には、スペースコロニーの研究が重要だと考えている。しかし、従来のスペースコロニーの計画は、宇宙構造システムのフィージビリティの検討に終止しており、居住空間や暮らし方についての議論を成されているとは言い難い。そこで本研究は、宇宙において、人間が長期滞在可能な居住空間の実現可能性を高めるために、居住性を重要視したスペースコロニーの居住空間を計画する。

https://www.jia-kanto.org/shushiten/2014/data/04/all.pdf

米アマゾンが描く宇宙コロニーの夢

米金融経済系ニュースサイト、ビジネス・インサイダーや英紙デーリー・メール、米NBCニュース(いずれも電子版)などが大々的に報じているのですが、ネット通販世界最大手の米アマゾン・ドット・コムのジェフ・ベゾス最高経営責任者(CEO)が、将来、人類が宇宙で生活するための巨大な宇宙ステーション「スペースコロニー」の建設に力を貸したいと宣言したのです。

ベゾス氏はまず、5月9日にワシントンDCで行われた会見(完全招待制)で、自身が2000年に設立した米宇宙開発企業「ブルーオリジン」(本社・ワシントン州)が開発中の有人月着陸機「ブルームーン」を初めて紹介したのです。実物大(高さ約7メートル)の「ブルームーン」の模型も登場。説明では、月面探査車をはじめ、様々な機器や物資など計3・6トンを搭載でき、地球から月面に運べるといいます。

米トランプ政権がめざす2024年までの有人月面着陸計画に歩調を合わせる考えで、会見では「今こそ月に戻る時だ。今回は滞在する」と宣言しました。実現すれば、約半世紀ぶりに人類を月に送り届けることになります。

https://www.sankei.com/west/news/190531/wst1905310014-n1.html

1970年代に描かれた巨大スペースコロニーの予想図

1970年代、プリンストン大学、NASAエイムズ研究センター、スタンフォード大学の物理学者たちは、地球を離れた人類のための巨大なスペースコロニーの予想図を描いた。彼らは、地球が破壊され、人類が宇宙に移住するという最悪のシナリオを想定した。

1970年代当時、学者たちは人類は2060年までに最初のスペースコロニーに移住することができると考えた。彼らは太陽の周りをまわる3つのスペースコロニーをデザインした。NASAは最終的に10兆人が何百万ものスペースコロニーに暮らすようになると考えていた。

https://www.businessinsider.jp/post-172251

あの名作アニメで描かれた「スペースコロニー」の快適度

あの名作『機動戦士ガンダム』が大ヒットした要因の一つは、「コロニー落とし」という驚きの事件から始まったからではないだろうか。『機動戦士ガンダム』とは、宇宙での戦いを描くと同時に、その背景にある「宇宙で暮らす未来」を身近に感じさせてくれた作品である。

スペースコロニーという構想は『ガンダム』以前からあった。その誕生は1969年。アメリカのプリンストン大学教授ジェラルド・オニールが、彼の学生たちと共に考えた。その一つが「島3号」。『機動戦士ガンダム大事典 アニメック別冊』(ラ・ポート)によれば、『ガンダム』のコロニーは、この島3号をベースにしているという。

地球連邦のコロニーは「直径6.5㎞、長さ30㎞以上、2分で1回転し、遠心力は地上の重力の90%」だという。直径6.5km、長さ30kmで、半分が窓になっているところから計算すると、居住区域の面積は300平方キロメートル。青森県八戸市や、福島県白河市と同じぐらい。ここに1000万人が暮らすとなると、人口密度は1㎢あたり3万3000人だ。暮らせないことはないだろうが、相当に窮屈だと思う。

https://emira-t.jp/fantasy/226/

東京理科大に「スペースコロニー」が完成

東京理科大学・野田キャンパス(千葉県野田市)に「スペースコロニーデモンストレーションモジュール」が完成、7月30日、オープニングセレモニーが開催された。モジュールは半径2.5mの蒲鉾(かまぼこ)型。月面などの閉鎖環境で必要となる要素技術を実証するプラットフォームとして活用していく予定だ。

東京理科大学の松本洋一郎学長は、「閉鎖空間の中で生きていけることを実証できれば、そこで開発した技術が地球に戻ってくる」と説明。「最終的な思いはSDGs(持続可能な開発目標)。この限られた地球という宇宙船の中で、人類がどうやって暮らしたら良いのか。このモジュールがそのきっかけとなれば」と期待を寄せた。

https://news.mynavi.jp/article/20190802-870083/