宇宙ビジネスの衝撃 21世紀の黄金をめぐる新時代のゴールドラッシュ

宇宙開発はもともと、NASAやJAXAなど、各国の国家機関が担っていた。そんななか、宇宙開発の商業化の流れが起きたきっかけは、2005年のアメリカ政府による政策変更といえる。スペースシャトルの後継機の開発は民間に任せて、NASAは一顧客として民間から打ち上げサービスを購入するという大転換があった。

2010年には、オバマ大統領が「新国家宇宙政策」を打ち出した。そこでは、民間企業の技術やサービスの購入、競争に通じる起業の促進、宇宙技術やインフラの商業利用、輸出の促進などがはっきりと示されていた。こうして、官民連携で宇宙開発の商業化が推進されるようになった。

宇宙ビジネスの世界市場「スペース・エコノミー」は、2005年に17兆円規模だった。これが、2016年には33兆円にまで拡大するという成長ぶりだ。これにともなって、世界の宇宙関連ベンチャーへの投資も急激に拡大している。

https://type.jp/tensyoku-knowhow/skill-up/book-summary/vol46/

スペースXと英ヴァージンが挑む「宇宙ビジネス」

2020年代の訪れとともに、宇宙関連で最大の注目を集めているのがイーロン・マスク率いる「スペースX」と、リチャード・ブランソンの「ヴァージン・オービット(Virgin Orbit)」だ。この2社は今年、将来の宇宙ビジネスに必須の新たなマイルストーンに挑もうとしている。

スペースXは今年後半に衛星インターネット事業を立ち上げる。ヴァージン・オービットも今年、初の商用オペレーションを実施しようとしている。

スペースXは早ければ1月6日に、3回目の衛星コンスタレーションのStarlinkの打ち上げを実施する。Starlinkは60個の衛星群を一気に打ち上げて、衛星インターネットサービスの実現を目指す。今回の一部の衛星には光を反射しないペイントが施されており、これにより天体観測に与える影響を軽減できるかを見極めようとしている。

これまでの2回のStarlinkの打ち上げでは、衛星が光を反射し、宇宙研究の妨げになることが指摘されていた。スペースXのCOOのグウィン・ショットウェルは先月、記者団に対し「当社は子供たちが天体望遠鏡で観測しても、問題が起きないように準備を進めている」と述べていた。

https://forbesjapan.com/articles/detail/31616

ロシア企業、数年以内に宇宙広告を実現か

ロシアの企業「START ROCKET」は、2021年初頭に超小型人工衛星を用いた宇宙広告サービスのテストを実施すると公開しています。

「START ROCKET」が予定している宇宙広告は、高度500kmの宇宙空間に超小型人工衛星を複数機放出し、太陽光を反射する特殊なフィルムを展開。空にドット形式のディスプレイを実現します。このディスプレイは、文字だけでなくブランドロゴなどの複雑な画像の表示も可能で、1日に3〜4の広告を配信を想定しているようです。

また、「電話が通じない」「周囲の視界がなくなるような大災害時」などに、政府機関が発表する緊急告知などにも活用できることも利点として上げています。

https://sorae.info/030201/2019_1_22_startrocket.html

中国でスペースデブリ除去用「レーザー衛星」の研究

Space junk orbiting around earth – Conceptual of pollution around our planet (Texture map for 3d furnished by NASA – http://visibleearth.nasa.gov/)

地球と取り巻く人工物の破片、スペースデブリは諸説あるものの、北アメリカ航空宇宙防衛司令部(NORAD)などが管理する大きさ10cm以上のもので約9000個、数cm単位のものも含めると75万個以上が地球の周りを漂っていると言われます。

これらは打ち上げロケットの分離時に発生する破片や人工衛星の爆発や衛星どうしの衝突で発生したもの、実験目的で散布されたもの、宇宙機関や軍が意図して破壊したものなどが含まれ、近年その数の増加からこれらを除去すべく、デブリ回収衛星の開発などが研究されています。

そして、中国の科学者は最新の研究で軌道上へ打ち上げた人工衛星からレーザー光線を発射し、デブリを焼き払ったりその軌道を変えて安全なところへ押し出す構想を発表しました。

https://japanese.engadget.com/2018/01/17/zap-space-junk/

米宇宙企業、テープを使ったスペース・デブリ除去技術の実証に成功

米国の宇宙企業「テザーズ・アンリミテッド(TUI)」は2020年1月16日、小型衛星からテープ(テザー)を展開し、スペース・デブリ(宇宙ゴミ)を除去する技術の実証試験に成功したと発表した。

同社が開発した装置は、小型・超小型衛星にも取り付けられるほど小型・軽量かつ低コストなのが特長で、今後も実証を重ね、事業化を目指す。

テザーズ・アンリミテッド(TUI、Tethers Unlimited, Inc.)は、1994年に物理学者・エンジニアのロバート・P・ホイト氏と、物理学者でSF作家としても知られるロバート・L・フォワード氏によって設立された企業である。ホイト氏は、宇宙における「テザー(ロープ)」技術のパイオニアとして知られ、同社ではその技術を使い、さまざまな製品の開発を進めている。

https://news.mynavi.jp/article/20200129-963101/

ヴァージン・ギャラクティックがNY証取に上場、宇宙旅行会社として世界初

宇宙旅行会社ヴァージン・ギャラクティック(Virgin Galactic)は28日、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場した。宇宙旅行会社の上場は世界で初めて。

同社は上場に先立ち、すでに上場していた米投資企業ソーシャル・キャピタル・ヘドソフィア(Social Capital Hedosophia、SCH)と合併。これにより、新規株式公開(IPO)に通常必要な手続きを省略しながら、4億5000万ドル(約490億円)を調達した。

同社は今後、1回の飛行で6人の乗客に無重力飛行を提供する計画。商業飛行は始まっていないが、2020年夏に乗客を乗せた最初の飛行を実施する予定で、料金は25万ドル(約2700万円)に設定している。同社の宇宙飛行には、すでに600人余りが申し込んでいる。

https://www.afpbb.com/articles/-/3251929

高く舞い上がる宇宙開発ベンチャー

宇宙開発ベンチャーへの投資額は、近年成層圏にも届きそうな勢いで跳ね上がっている。しかも、この分野の投資家たちは、まだまだ高まるばかりだと踏んでいる。

魅力はどこにあるのか? しばしば繰り返される話だが、初期段階だった企業が成熟するにつれて、スタートアップ投資担当部門による査定額が上昇していることが大きく影響している。今では、5〜6年前に立ち上げられた宇宙開発関連の企業は、スタートアップの基準からすれば中堅企業となり、より大きな、後半の投資ラウンドの時機が熟している。

近年、衛星の設計と打ち上げに関する費用の経済性が向上したことも、投資家に対する大きな説得力となっているのは確かだ。

ベンチャー投資家は、そうした計算を好むものだ。ベンチャー投資家のファンドは、過去10年間で宇宙産業に約42億ドル(約4620億円)投資した。そのうちの70%は、ここ3年間に集中しているのだ。そしてさらに多くの投資会社が、この分野に参入しつつある。Anderson氏の計算によれば、上位100社のベンチャーキャピタルのうち40%強の会社が、少なくとも1件以上の宇宙関連投資を行っていることになる。こうした投資は、2つの領域に集中している。衛星と打ち上げ技術だ。特に小型衛星をターゲットにしたものが多い。

https://jp.techcrunch.com/2019/04/08/2019-04-06-space-tech-rockets-higher/

バブルか?「宇宙ビジネス」に投資が集まる理由と、その課題

従来、宇宙産業は国家規模の事業だったが、近年はこの分野への民間企業の進出が著しい。大手やベンチャーなどが宇宙ビジネスに参入する中、今後どう進展していくのだろうか。

宇宙ビジネスは、人類が前進しなければいけない領域の一つになってきた。いつ、どこで地球がどうなるか分からない。月植民計画を発表したアマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏や、宇宙開発ベンチャー「スペースX」を手掛けるイーロン・マスク氏は、自分が死ぬまでの間に自らが目指している宇宙ビジネスの計画を「すべて成し遂げ完成させよう」とは思っていない。次世代への投資も含めて、宇宙ビジネスは広がりを見せている。

これまで宇宙開発に取り組んできた、NASAなど政府機関や既往の航空宇宙産業などの「エスタブリッシュドスペース」に加え、主流とは異なる宇宙開発アプローチをとり、新興の民間航空宇宙産業を包含するムーブメントとも表現される「ニュースペース」と呼ばれる宇宙開発の新たな潮流が活発化しているという。「技術革新による低コスト化」「ベンチャーなど民間主導」「他産業企業の宇宙参入」などがニュースペースを示すキーワードと言えるだろう。

https://www.sbbit.jp/article/cont1/36531