アポロ計画とは
アポロ計画は、人間を月に送るという、科学史上、さらにいえば人類史上でももっとも大きなプロジェクトといえるでしょう。
アポロ計画のきっかけは、米ソ(アメリカとソビエト連邦=ソ連)冷戦にあります。アメリカとソ連が、互いに大量の核兵器を持ち合いながら、両者ともに軍事力を誇示して睨み合う(しかし、実際の戦争は起きない)という「冷戦」。しかし、それは核兵器という力の微妙なバランスで保たれていました。
そんな中、1957年にはソ連は世界初の人工衛星「スプートニク1号」を打ち上げます。ソ連は宇宙開発における力を示すと共に、核兵器を運搬できるミサイル、それにつながる宇宙開発の技術力をもアピールしたのです。
宇宙開発分野で圧倒的に遅れていたアメリカがソ連に追いつき、逆転するためには、大きな目標を示す必要がありました。それが「月」だったのです。
1961年5月、ケネディ大統領は有名な演説を行います。曰く、「アメリカは1960年代に人を月に送り、無事に帰還させる」。
人間を月に送る計画は「アポロ計画」と名付けられ、検討が始まります。しかし、いきなり人を月に送るというわけにはいきません。段階を踏んで技術を開発すると共に、未知な部分、危険な部分を解決していく必要があります。
結果的にこの1961年のケネディ大統領による宣言から1969年7月のアポロ11号による初の人類の月への到達まで、わずか8年ちょっとという時間で成し遂げられました。
アポロ計画に費やされた予算は現在のお金に換算して約12兆円ともいわれています。関わった人員はNASAだけではなく関連会社まで含めると40万人ともいわれています。文字通り、アメリカの産官学(軍)、全ての力を結集して行われたプロジェクトが、アポロ計画だったのです。
アポロ11号から17号までの6回の探査(13号を除く)、合計12人の宇宙飛行士が月面へ降り立ちました。
そして1972年12月、最後となるアポロ17号が月に打ち上げられ無事帰還、アポロ計画は終了します。
https://moonstation.jp/challenge/lex/apollo/outline
NASAが月に挑戦してきた「アポロ計画」
「地球は青かった」という言葉で有名なソ連の宇宙飛行士ユーリ·ガガーリンは、1961年に宇宙から地球を1周し、活動領域を宇宙にまで広げました。
そして、 人類が次の到達点として目指したのが『月』。
人類を月に初めて送り込むことに成功したのは、今からちょうど半世紀前のアメリカNASA「アポロ計画」におけるアポロ11号でのミッションのことでした。「アポロ11号」は、“偉大な一歩” を踏み出したのです。
月への到達は、今の宇宙開発の歴史に深く貢献しましたが、大きなことを成し遂げた成功とともに、数々の犠牲や困難があったようです。
アポロ1号での不幸や、アポロ13号での予期せぬ事故など、数々の犠牲や困難を乗り越えてきた「アポロ計画」は、最後のアポロ17号までに6機の月着陸に成功、12人の宇宙飛行士を月面に送り、大きな科学的成果を上げました。
当時紛れもなく人類共通の偉大な夢であった月面着陸は、“偉大な一歩”へと変革を迎えました。
https://moon.landing50th.com/challenge/432/
1号〜17号までアポロミッションを振り返る
アポロ1号のミッションは、宇宙船を地球低軌道に打ち上げることだった。しかしそれは悲劇に終わった。打ち上げ前のテスト中に起きた宇宙船の火災で3人の宇宙飛行士が死亡した。
1968年10月11日に打ち上げられたアポロ7号は、月を周回するために作られた宇宙船の最初の有人テストだった。またアメリカ人による初めての宇宙から生中継も行われた。
1968年のクリスマスイブ、アポロ8号のジム・ラベル、ウィリアム・アンダース、フランク・ボーマンが月を周回した最初の人類となった。
1969年に行われた3つの有人ミッションの1つ目がアポロ10号。初めての月面着陸のための「ドレスリハーサル」と言われた。
1969年7月20日、アポロ11号のニール・アームストロングが初めて月面に降り立った。世界中でおよそ5億3000万人がテレビ中継を見ていた。
アポロ15号では、月の地質を調査するために月面車を初めて使用した。
アポロ17号は人類を月に送り込む最後のミッションとなった。
https://www.businessinsider.jp/post-194383
地上でも多様な分野に「偉大な飛躍」をもたらしたアポロ
人類初の月面着陸を実現した米アポロ計画は、多くの技術革新と波及効果を生み出した。その成果は半世紀たった今も世界の宇宙開発を支えている。地上でも産業や暮らしに幅広く生かされ、芸術や文化にも影響を与えた。
米国がピーク時で40万人を動員し、総力を挙げて取り組んだアポロ計画。ケネディ大統領が1961年に掲げたのは、わずか9年間での目標達成だった。実現に向け米航空宇宙局(NASA)が打ち立てたのが、巨大計画を進める2つの手法だ。
ロケットや宇宙船の開発、管制室の整備や態勢の確立、飛行士の訓練など多岐にわたる活動を効率的に進める「プロジェクトマネジメント」と、それぞれの進み具合を統合的に把握、検証し合理的に目標を達成する「システム工学」だ
2つの手法は今日、地上でも工場や鉄道、原子力発電所の建設・運転のほか、ビジネスや組織運営などで広く活用されている。
人類初の宇宙飛行は2時間で済んだが、月は往復で8日以上かかる。このため宇宙食の保存性や味の追究が始まった。凍結した食品を真空の状態にし、水分を昇華させて乾燥させるフリーズドライ製法が誕生。現在も宇宙食で多用されており、地上でもスープやコーヒーなどのインスタント食品でおなじみだ。
SF作品や映画、芸術にも影響を与えたほか、人々の意識を変えた点も見逃せない。史上初めて月を周回したアポロ8号は68年、月の地平線から昇る地球を撮影。「地球の出」と呼ばれるこの写真は、漆黒の宇宙に浮かぶ孤独でかけがえのない地球の姿を捉え、公害が社会問題化する中、地球環境や共生の意識を高める役割を果たした。
人類の英知を結集して困難な目標を成し遂げ、地上でも多様な分野に「偉大な飛躍」をもたらしたアポロ。20世紀が生んだ巨大プロジェクトは今も輝かしい足跡を残している。
https://www.sankei.com/life/news/190727/lif1907270001-n1.html
地球の周りを回っていた不思議な物体「J002E3」は行方不明の『アポロ』ロケット
2002年、ひとりのアマチュア天文学者が宇宙に漂う不思議な物体を発見した。その物体は地球周回軌道上に存在しており、「な、なんと! 月以外に地球の周りを回る物体があったなんて……!」と研究者たちはビックリ仰天したという。
この未知なる物体は「J002E3」と名付けられ、しばらくは隕石や小惑星だと思われていたが、調査の結果、その正体は1969年に打ち上げられたアポロ12号で使われた「サターンVロケット」の第3段ステージ「S-IVB」であることが判明した。そう、宇宙での役目を終えてから行方不明になっていたロケットの一部が、40年の時を経て地球の近くに帰ってきていたのである!
楕円の軌道で月と地球の間を自由気ままに周回し、やがて再び金星方向に飛び去った「S-IVB」は、2032年頃に再び地球周回軌道上に帰ってくる可能性があるらしい。
https://rocketnews24.com/2013/10/14/377989/
アポロ計画を描いた本・映画
アポロ計画に関する作品は世の中に溢れています。月面着陸から半世紀経った今だからこそ、アポロ計画を楽しめる作品が数多く存在します。
映画「ファーストマン(First Man)」(2018年)デイミアン・チャゼル監督
「セッション」「ラ・ラ・ランド」で有名な映画監督デイミアン・チャゼルが贈るニール・アームストロングの伝記映画!ニール・アームストロング船長を俳優ライアン・ゴズリングが演じる。
「ニール・アームストロング 人類史上初めて月に降り立った宇宙飛行士」縣秀彦(監修)、藤森カンナ(漫画)、学研教育出版(2015年)
オールカラーが魅力の小学生向け伝記漫画。年表が整理されていて、時代の流れがとても分かりやすい。アポロ計画を知らない世代の導入書に最適。
https://sorabatake.jp/6349/
トランプ大統領の“アポロ計画”は、ブッシュ、オバマ政策の集大成
「2024年までの有人月着陸を目指す」、そして「民間を最大限活用する」としたアルテミス計画は、突如として降って湧いたように思えるが、じつは紆余曲折はあれど、ブッシュ、オバマ大統領の宇宙政策から続く、10年以上の長い歴史を背景にもつ。その意味でアルテミス計画は、2000年代から続いてきた米国の宇宙政策とNASAの計画の、集大成といえるかもしれない。
今回のトランプ大統領による有人月探査計画は、同じく月を目指したブッシュ政策の焼き直しとも取れるし、また一旦腰を据えて技術開発に注力し、そのうえで深宇宙を目指すというオバマ政策がようやく結実したとも取ることができる。さらに、両政権の思惑どおりに米国の民間企業による宇宙開発、宇宙ビジネスもそれなりに発展し、アルテミス計画の主役の一人になるまでになった。
このように、ブッシュ、オバマ政権の宇宙政策を下敷きにした、さまざまな動きがうまく合致した集大成として、アルテミス計画は動き出すことができたのである。
https://news.mynavi.jp/article/artemis-3/
アポロ以降初となる有人月飛行計画「#dearMoon」プロジェクト、打ち上げは2023年の予定
初の月面着陸から50年、長らく有人月面探査から遠ざかっていた人類だが、まもなく転機が訪れようとしているのをご存知だろうか。
2019年は「宇宙開発元年」とも呼ばれており、米中による国家的な宇宙開発計画が次々発表されているだけでなく、世界各地で民間企業による月面探査計画など、盛り上がりを見せている。
その中でもこれまでに例を見ないミッションとして、国内外の注目を集めているひとつが民間人初となる有人月周回計画「#dearMoon」プロジェクト。
打ち上げは2023年の予定で、実現すれば民間人としては初、月周辺に人類が行くのは「アポロ計画」最後の宇宙船の打ち上げ以来51年ぶりとなる。
https://dime.jp/genre/745526/