ブラックホールの仕組み

ブラックホールとは、あまりに大質量で高密度、強重力を持つために物質はもちろんのこと光すら抜け出すことができない天体のことです。

ブラックホールの誕生は星の死に深く関係しています。通常星が最期を迎える際、その質量が太陽の数倍までであれば膨張した後に収縮し白色矮星となりゆっくり冷えてその一生を終えます。

しかし、質量が太陽の8倍以上あれば膨張した際、中心部では核融合によって質量の高い元素が次々に作られます。やがて中心部は熱を失い収縮していきますが、このとき星の収縮と同時に重力の収縮が起こります。

この重力収縮によって物質が激しく吹き飛ばされるのが「超新星爆発」です。さらに太陽の30倍以上の質量を持つ星では重力のあまりの強さに、超新星爆発後も核が収縮を続けます。この現象は「重力崩壊」といわれています。

重力崩壊の段階では星の収縮を阻害するものが存在しないため、永久に収縮し続けます。この状態になった天体を「ブラックホール」と呼ぶのです。

ブラックホールはエネルギーを吸収するのみと考えられてきました。しかし、1970年代にスティーブン・ホーキング博士がブラックホールが事象の地平面周囲にエネルギーを放出していることを証明しました。これらは「ホーキング放射」と呼ばれています。

ホーキング放射が判明したことにより、ブラックホールもいずれは消滅することがわかってきました。ホーキング放射は、通常であれば打ち消し合うはずの粒子と反粒子が事象の地平面では打ち消し合わず、片方が流出することで発生しています。粒子を放出し続けることでブラックホールはエネルギーを失い、長い時間をかけてやがては蒸発してしまうのです。

https://www.gibe-on.info/entry/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%A8%E3%81%AF%EF%BC%9F%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AF%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%AE%E5%85%A8%E3%81%A6%E3%81%A8%E3%81%9De/

人も星も瞬時にスパゲッティ化!ブラックホールは凄まじい深淵

米オクラホマ大学が行った研究によると、あるブラックホールは時速10億キロメートルというほぼ光速と同じ速度で回転(自転)していることもわかっています。

一般相対性理論の予測によると、ブラックホールに近づくにつれて重力が急激に強くなっていくと考えられています。ブラックホールのサイズが太陽の何百万倍も大きい場合を除き、ブラックホールの中では、人の頭と足先というわずかな距離であってもかかる重力が大きく異なります。その結果、私たちが頭や足からブラックホールに落ちると、肉体はまるでスパゲッティのように縦に引き伸ばされ、最期には引きちぎられてしまうのです。さらに、ブラックホールの凄まじい重力は、地球であっても、太陽であってもスパゲッティにすることが可能です。

https://studywalker.jp/skillup/article/1000660/

人類が初めて見たブラックホール!

2019年4月10日、世界で初めて撮影に成功したブラックホールの映像が発表された。

ブラックホールの世界初の観測を可能にしたのはまさに地球規模のビッグプロジェクトだった。

用いられたのはチリ、アメリカ、メキシコ、スペイン、南極にある合計8つの巨大電波望遠鏡。これらの望遠鏡が2017年の春、今回ブラックホールが確認されたM87銀河に一斉に向けられた。

8つの電波望遠鏡はいわば地球サイズの超巨大望遠鏡の役割を果たし、延べ5日間の観測の結果ブラックホールの真の姿を初めて捉えることに成功したのだ。

今回の撮影で何が分かったのかというと、ブラックホールの存在が今まで理論上「あるだろう」ということだったのが、初めて「実在」が証明されたこと。もう1つは銀河の起源、進化の解明の鍵になるのではないかということだ。

今回の成果は宇宙の始まりの解明にもつながる。

https://www.fnn.jp/posts/00044685HDK/201904111929_livenewsit_HDK

ブラックホール撮影成功!の何がどうスゴいの?

まず、2015年に『ブラックホール同士の合体による“重力波”』というのが観測されました。この『重力波』の観測で、人類は『本当にブラックホールがある』ということを、やっと知ることができました。

もちろんアインシュタインの理論からすれば『ある』というのはわかっていた。アインシュタインの理論によれば、『ブラックホール同士が合体したときには、重力波と言われる“波”が出る』というのはわかっていたんですが、何と言っても、その揺れはものすごく微弱なのです。実際、2015年に検出した波は、『太陽と地球の間の距離を水素原子一個分だけ揺らすに匹敵する、微弱な波』だったんです。

努力によって『ブラックホールが本当にある』ということを知ったのが、アインシュタインが『一般相対性理論』を発表してからちょうど100年後。それが2015年の出来事でした。

そして『波』によってブラックホールの存在を確認してから3年後。今回撮影された写真によって、人類は初めて『目』で、ブラックホールの存在を見ることができたんです。

撮影されたブラックホールは、地球から5000万光年ほど離れたM87という銀河のど真ん中にあるブラックホールですが……その質量がものすごく大きいんです。これまで重力波で見つかっていたものは、太陽の質量の数十倍程度でした。でも、先日撮影されたブラックホールは、なんと太陽質量の65億倍という大きさでした。

じつは今回の写真で、研究者を一番ざわつかせたのは『ブラックホールの姿そのもの』ではなく、本来写るだろうと思われていたものが、写っていなかったことなんです。ブラックホールからは、強力なジェットが吹き出ていると考えられているんですが、そのジェットが全く写っていなかった。

https://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/entry/saeri02

光速の99%以上! ブラックホールから噴出しているジェットの速度

2019年4月、楕円銀河「M87」の中心にある超大質量ブラックホールが直接撮像されたことが発表され話題を呼びました。このブラックホールからはジェットが噴出していることが知られていますが、その速度が最大で光速の99%を上回っているとする研究成果が発表されました。

おとめ座の方向およそ5500万光年先にあるM87の中心には太陽の65億倍というとてつもない質量を持った超大質量ブラックホールが存在しており、国際協力プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」によって直接撮像された初のブラックホールとして知られています。

M87のジェットは地球の方向に近い角度で噴出されていることから、見かけの速度が光速を上回る「超光速運動」という現象を起こしています。研究チームによると、ジェットのなかでも超大質量ブラックホールに近い部分(ブラックホールからおよそ900光年ほどの範囲)にみられるX線を放つ2つの塊を観測すると、それぞれ光速の6.3倍と2.4倍で動いているように見えるといいます。

ただし、これはあくまでも見かけ上の速度で、実際に光の速度を超えているわけではありません。研究チームが詳しく分析した結果、ジェットの最大速度は光速の99%以上に達していることが明らかになりました。質量を持つ物質が到達しうる速度としては、ほぼ上限に達していると言えます。

https://sorae.info/astronomy/20200110-m87jet.html

NASAの宇宙望遠鏡は見ていた! 恒星がブラックホールに引き裂かれるレアな現象

NASAは2019年9月27日、数億光年先の銀河で恒星がブラックホールに引き裂かれる様子を、系外惑星探査衛星「TESS」がキャッチしたことを明らかにしました。

この現象が観測されたのは、地球からおよそ3億7500万光年先にある銀河「2MASX J07001137-6602251」の中心部。今年の1月29日、超新星を発見するために20基の天体望遠鏡で全天を観測しているネットワーク「ASAS-SN」によって、最初に増光現象が確認されました。

データを解析したところ、ASAS-SNが増光をキャッチするよりも早い1月21日には、TESSによって明るさの変化が捉えられていました。その様子は超新星爆発のように突然明るくなるのではなく、徐々に明るさを増していることから、銀河中心部の超大質量ブラックホールによって恒星が引き裂かれ、ブラックホールの周囲を取り巻く降着円盤になる過程を観測したものと判断されたのです。

恒星を引き裂いたのは、超大質量ブラックホールがもたらす潮汐力です。潮汐力は地球でも潮の満ち引きをもたらすものとしておなじみですが、太陽の数百万倍もの重さを持つ超大質量ブラックホールの周囲では、近付いた天体が引き伸ばされて破壊されてしまうほどの強さになります。潮汐力によって天体が壊される現象は、潮汐破壊と呼ばれます。

https://sorae.info/astronomy/20190927-asas-sn.html

宇宙初期のブラックホールは合体を繰り返した末に急成長していた?

ブラックホールは主に周囲のガスを取り込むことでより大きな質量へと成長していきますが、そのペースはブラックホールの質量に左右されると考えられています。しかし、初期の宇宙に存在していたとみられる超大質量ブラックホールは本来のペースよりも速く成長した可能性があり、成長の様子を探る研究が進められてきました。

研究の結果、わずか5000万年から1億年ほどの期間があれば、合体によって太陽の1万~10万倍の質量があるブラックホールへと急速に成長できることが明らかになったといいます。質量が増えればブラックホールがガスを取り込んで成長するペースも速まるため、宇宙誕生から8億年後という早い時期に超大質量ブラックホールが存在できた可能性も説明できると研究チームは考えています。

https://sorae.info/astronomy/20200326-blackhole.html

回転速度は宇宙トップ級!「穴」ではないブラックホールの真実

ブラックホールは穴ではなく、極めて強い重力を持つ天体です。そのため、地球や月と同じように回転(自転)していると考えられています。

地球から100~110億光年先にある5つのブラックホールの自転速度を調べた結果、5つのブラックホールの内の1つが時速約10億キロメートルという、光速に近いか、ほぼ同じ速度で自転していたのです。他の4つは、光速の約半分ほどの速度。ちなみに光の速さは、秒速30万キロメートル。時速にすると時速10.8億キロメートル。

https://studywalker.jp/skillup/article/1000697/