NASA近代宇宙服の歴史と能力

世界最初の宇宙服は1931年、ソビエト連邦によって開発された「スカファンドル」だと言われています。 その後ソ連は開発を続け、オーランシリーズと呼ばれる宇宙服を2009年までリリースし続けています。 アメリカの宇宙服もロシアと競争するように開発され続けましたが、途中から従来のロケット型宇宙船からスペースシャトル型へと変更した為、スペースシャトル用宇宙服へとシフトチェンジしていきました。 機内活動用にオレンジの機内与圧服と、船外活動用の宇宙服(EMU)を別々に開発するようになり、それぞれ保湿性、機動性、グローブの操作性やシステム環境などめまぐるしく進歩しています。

時代、モデルにもよりますが、宇宙服一着の値段はなんと10億円程度と言われています!! 現在宇宙服を開発、保有している国はアメリカ、ロシア、中国の3国ですが、カナダや欧州でも研究は進められているそうです。

現在宇宙服研究の最高峰であるNASAは明確な理想の次世代型宇宙服の目標値を細かく打ち出しています。おおまかにまとめると、以下の点です。

・ 宇宙服内の運用気圧を1気圧まで上げる (現在は0.4気圧)

・ 総重量20kg (現在は120kg)

・ 連続活動時間 1週間 (現在は7時間程度)

・ 生命維持装置の完全自動化 (現在は温度調節などは手動で行っている)

・ 燃料電池の搭載 (現在は銀亜鉛電池を使用している)

・ 宇宙服にパワーアシスト機能を搭載 (人力だけでなく、機械が力をサポートしてくれる機能)

この次世代宇宙服は2010年の国際宇宙ステーション計画、そして2020年の月面探査計画へ向けて本格的に進められているそうです。

http://www.albatro.jp/birdyard/fashion/space-suit/index.htm

「宇宙服のサイズが足りない」

予定されていた女性宇宙飛行士のみによる船外活動が直前にキャンセルされた。理由を聞いて驚くなかれ…彼女たちに合うサイズの宇宙服の数が足りないからだ。

NASAの宇宙飛行士のアン・マクレーン飛行士、クリスティーナ・コーク飛行士は、3月29日に史上初の女性のみによる船外活動に参加する予定だった。しかしNASAは、その直前の3月26日に「宇宙ステーションにある宇宙服の在庫状況」を理由に、予定が変更されたと発表した。

米ラジオNPRの2017年の記録によると、NASAの宇宙服は合計11着しかなく、デザインされたのは40年以上前だという。しかも、1着をゼロから製作するには2億5000万ドル(約276億円)かかるそうだ。

https://www.huffingtonpost.jp/entry/spacesuit-all-women_jp_5c9adcdde4b072a7f6011fd5

宇宙服が「ロストテクノロジー」?

現在は宇宙開発華やかりし時代という感じで、民間のベンチャー企業も次々にこの分野に参入しているような時代となっています。無人で宇宙に行くなら問題ないのですが、人間が宇宙に行くとなると言えば当然「宇宙服」が必要になります。

しかし現在、あのNASAでもこの宇宙服が足りないという事態らしいのです。現在NASAにある宇宙服はなんと11着だけなんだそうで、当然大量に不足しているのです。その宇宙服もすでに40年以上も昔にできたもので、残り15年の寿命なんだそうです。

宇宙服というのはものすごい手間がかかっています。空気がない宇宙で、服の空気を外に逃さないように、特殊な布を何層にもして作ります。

アメリカなら7〜8層、日本なら約14層という具合です。また、体温を外に出さないようにする仕組みと冷却する仕組みという、相反する機能を持たせます。宇宙服で宇宙飛行士の体温を調整することが大事で、宇宙空間は低温ですが、宇宙服に体温を逃がすような部位がなく太陽の光もはげしいため、宇宙空間での活動時は温度が上昇することになるので、主に冷却する仕組みが必要です。

さらに、生命維持システムも必要になります。このように、作るのが非常に大変な宇宙服ですが、最大の問題はこの宇宙服作りの技術の継承がよくできていなかったということです。そのため、これが驚愕の事実なんですが、なんとNASAではおばさんが手縫いで作っているそうなんです!

薄い布を何層にも重ねるため、機械ではなく手縫いをしなければならないからです。このような技術が継承されていないということですが、作業的なものは継承されているんでしょう。しかし、肝心の技術面が難しいということなんですね。

NASAでは、これ以上この問題を深刻化させないため、NASAの有人探査計画では次世代宇宙服を設計・生産・テストするための計画が必要とされています。

https://uchutankentai.com/2019/09/01/%E5%AE%87%E5%AE%99%E6%9C%8D-2/

NASAの次世代「xEMUスーツ」

NASAから宇宙服の新シリーズが登場しました。

各宇宙服は基本的に「宇宙の過酷な環境や、地球とその大気が提供する基本的な資源からの保護をすべて模倣した個人用宇宙船」として機能するのだそうです。

地上を歩き回るのがとても楽チンなだけでなく、「xEMU」には改良されたジョイント・ベアリングとその配置が採用されているため、宇宙飛行士はアポロの乗組員たちのように月面をウサギのよに飛び跳ねるだけでなく、より広い範囲での動きが可能になっています。

「xEMU」は、交換可能でアップグレード可能なパーツを揃えているため、幅広いミッションで使用することを可能にします。なので同じ宇宙服、もしくは少なくともその「コア・システム」が、国際宇宙ステーションや月、そしてもしかすると最終的には火星にも、足を踏み入れるようになるかもしれません。そして今、この追加された拡張性が、今年初頭に計画された「NASA初の女性だけの宇宙遊泳」を阻止させたような、恥ずかしい不備を防ぐことを期待しています。

https://www.msn.com/ja-jp/news/techandscience/%E5%8B%95%E3%81%8D%E3%82%84%E3%81%99%E3%81%8F%E3%81%AA%E3%81%A3%E3%81%9F%EF%BC%81-nasa%E3%81%AE%E6%AC%A1%E4%B8%96%E4%BB%A3%E3%80%8Cxemu%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%84%E3%80%8D%E3%81%AF%E6%9C%88%E9%9D%A2%E3%81%A7%E5%BA%A7%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%81%99/ar-AAJjymb

NASAは月面用の宇宙服を将来的には民間企業にアウトソーシングへ

NASAは、特に宇宙服に関して、業界からの情報を求めるという正式なリクエストを発行した。宇宙服の生産と付随するサービスを、外部の業者に委託するための将来の道筋を探ろうと考えている。

すでにNASAは、民間企業だけでなく、学術機関や研究者とも協力して、自らの宇宙服に組み込むべき技術について検討してきた。現在の探査用宇宙服が、将来の設計の基礎となること前提とした上での話だ。しかしその一方で、宇宙服の製造と検査を、その業界のパートナー企業に完全に移管することも視野に入れている。さらに、そうしたパートナーが「宇宙服の進化を促進させる」ことにも期待している。また、現状の宇宙服の設計の改良も持ちかけたいと考えている。

https://jp.techcrunch.com/2019/10/05/2019-10-04-nasa-calls-for-input-on-moon-spacesuits-and-plans-to-source-them-commercially-in-future/

宇宙旅行者向けの「スペーススーツ」を「Under Armour」がデザイン

イーロン・マスクの「SpaceX」やジェフ・ベゾスの「Blue Origin」、そしてリチャード・ブランソンの「Virgin Galactic」──。これらは宇宙旅行ビジネスを展開しようとしている野心的な民間企業だ。

2019年10月16日、航空会社・ヴァージンのグループ企業である「Virgin Galactic」が宇宙旅行者向けのオーダーメイドの宇宙服を発表。デザインは「Under Armour」が手がけている。

宇宙服は「THE BASE LAYER」と「THE SPACESUIT」、「THE FOOTWEAR」の3つで構成され、それぞれに体温と発汗の調節機能をサポートする素材が使われている。また、愛する人の写真を入れられるクリアポケットがつけられるなど、機能面以外も注目したいところ。

「Virgin Galactic」の宇宙旅行は、2020年に始まる予定だ。価格は約2700万円とかなり高額だが、すでに600人以上が予約しているという。

https://tabi-labo.com/292547/wt-virgingalactic-underarmour

南極で行われる宇宙服のテスト

この宇宙服は、南極にアルゼンチンが持つマランビオ基地でテストされている。

月では、赤道付近で昼は110度、夜はマイナス170度と温度の変化が大きい。このため、低温下でどのように動けるかのテストをマランビオ基地で行っているのだ。

夏でも氷に囲まれた南極基地は寒かった。この寒い基地でなければ、宇宙服のテストはできないのだろう。

https://www.zakzak.co.jp/soc/news/191129/dom1911290003-n2.html

宇宙で「宇宙服」を着ないと人はどうなる?

人が宇宙服を着ることなく宇宙空間へ飛び出したらどうなるか。当然、死んでしまうことになるが、その死因については「体が破裂する」「凍死する」「窒息する」といった説が知られている。なかでももっとも有力なのは「窒息」である。地上にいるとき、人体は常に1気圧の圧力を受けているのに対し、真空状態の宇宙空間に気圧はない。そのため、生身の状態では、体内にある空気は膨張してしまうが、皮膚が持ちこたえるのですぐには破裂しないという。また、宇宙空間はマイナス270℃という極寒の世界だが、熱を伝えるために欠かせない空気がないことから、体から熱が奪われて凍死に至るまでにはかなりの時間を要する。

このほかにも、血液中に気泡ができて沸騰するという説もあるが、こちらも短時間では沸騰しない。つまりこれらの結果から、宇宙空間では呼吸ができず「窒息」するのが、いちばんの死因になるというわけだ。

https://www.lettuceclub.net/news/article/164796/