宇宙ごみ「スペースデブリ」の実態 衛星ビジネスを脅かす深刻さ

何千、何万もの小型の人工衛星を打ち上げて、大規模衛星群をつくるビジネスが次々と進んでいる。宇宙空間の混雑が深刻になっており、「交通管制」が必要になっている。「最も恐れているのは運用中の衛星ではない」。米宇宙関連団体エアロスペース・コーポレーションのロジャー・トンプソンは宇宙ごみ(デブリ)の危険性をこう指摘する。デブリは、打ち上げ後に分離されたロケットの部品や、運用を終えた衛星まで様々。地球に近ければいずれは地上に落下して大気圏で燃え尽きる可能性があるが、数十年、高速で回り続けることも多い。冷戦時代の米ソのような意図的な衛星破壊もある。07年の中国による衛星破壊実験では、観測できる直径10センチ以上のものだけで2600個を超えるデブリをまき散らした。特に恐れられているシナリオが「ケスラー・シンドローム」と呼ばれる現象だ。破壊された衛星が大量のデブリになり、他の衛星やデブリにぶつかる。破壊の連鎖でデブリが爆発的に増え、宇宙が使えなくなってしまう。

https://globe.asahi.com/article/13096423

スペースデブリ(Wikipedia)

スペースデブリ(古フランス語: débris, 英語: space debris、orbital debrisとも)または宇宙ゴミ(うちゅうゴミ)アメリカ英語: space junk とは、なんらかの意味がある活動を行うことなく地球の衛星軌道上〔低・中・高軌道〕を周回している人工物体のことである。宇宙開発に伴ってその数は年々増え続け、対策が必要となってきている。これらスペースデブリの総数は増加の一途を辿っているうえ、それぞれ異なる軌道を周回しているため、回収及び制御が難しい状態である。これらが活動中の人工衛星や有人宇宙船、国際宇宙ステーション(ISS)などに衝突すれば、設備が破壊されたり乗員の生命に危険が及ぶ恐れがあるため、国際問題となっている。現にニアミスや微小デブリとの衝突などは頻繁に起こっており、1996年にスペースシャトル・エンデバーのミッション(STS-72)で若田光一宇宙飛行士が回収した日本の宇宙実験室(SFU)には、微細なものを含めると500箇所近い衝突痕が確認された。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%87%E3%83%96%E3%83%AA

宇宙ゴミ(スペースデブリ)除去、欧州宇宙機関が2025年に作業に着手

1957年に旧ソ連によって世界初の人工衛星「スプートニク1号」が打ち上げられて以来、これまでに約8950個の衛星が地球周回軌道に送り込まれ、特段のミッションを行うことなく軌道を周回する「宇宙ゴミ(スペースデブリ)」の増加が深刻な課題となってきた。欧州宇宙機関(ESA)によると、2019年1月時点で、その総重量は8400トンを超えている。欧州宇宙機関は、2019年12月9日、1億1700万ユーロ(約141億1100万円)を投じ、宇宙ゴミを地球周回軌道から除去するミッションに着手することを明らかにした。「クリアスペース-1」と名付けられたこのミッションでは、概念実証のため、小型の宇宙ゴミの回収と除去を行う。ターゲットとなるのは、2013年に欧州宇宙機関によって打ち上げられ、高度660キロから800キロの軌道に残されたままとなっている人工衛星打ち上げロケット「ヴェガ(Vega)」の二次搭載物アダプター「VeSPA」だ。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2019/12/2025-6.php

アストロスケールは、宇宙ゴミ(スペースデブリ)除去事業で宇宙版「共有地の悲劇」に挑む

堀江貴文氏率いるインターステラテクノロジズが民間単独でのロケット打ち上げに挑むなど、宇宙事業が脚光を浴びている。今や、放送・通信・気象予報など、人工衛星無しには運営できないビジネスも少なくない。しかし、野放図な国際開発競争によって、制御不能になった人工衛星やその大量の断片・破片などが宇宙空間に漂う「宇宙ゴミ」(スペースデブリ)が爆発的に増加し、他の人工衛星や宇宙ステーションに衝突し、破壊してしまうリスクが高まっている。この壮大な社会問題に、営利を伴うビジネスモデルを使って取り組むベンチャー企業がアストロスケールだ。東京とシンガポールを拠点にする同社は、スペースデブリを処分する技術を開発し、大型の資金調達にも成功した。

https://www.sbbit.jp/article/cont1/33952

2025年 川崎重工業が宇宙ゴミ(スペースデブリ)除去事業開始

川崎重工業は2019年10月4日、宇宙ごみ(スペースデブリ)除去衛星の運用に向けた地上局を同社岐阜工場に設置した。今後、自社開発の人工衛星による実証試験でノウハウを蓄積し、2025年のスペースデブリ除去事業開始を目指す。新たに設置した地上局では、同社が2020年度に打ち上げ用のスペースデブリ除去衛星を使った実証試験において、コマンド送信やデータ受信などの運用を予定している。さらに、同社が今後参入を目指す衛星データ活用ビジネスにおいても、他社製も含めたさまざまな人工衛星とのデータ送受信や、人工衛星データの解析・提供といった機能を担う。川崎重工業は、2011年からスペースデブリ除去技術の開発に取り組んできた。除去対象としては、日本がこれまでに打ち上げたロケットの上段を想定している。前出の2020年度に打ち上げを予定しているスペースデブリ除去衛星では、画像センサーで対象を捕捉する技術や、対象に自力で接近する技術、衛星に取り付けたアームで対象を把持する技術などについて実証実験を行い、2025年の事業化を目指す。

https://tech.nikkeibp.co.jp/atcl/nxt/news/18/06136/

日本政府と国連宇宙部、宇宙ゴミ除去に関して協力

日本政府は2月6日、国連ウィーン本部にて開催中の国連宇宙空間平和利用委員会(COPUOS)科学技術小委員会第57会期において、「日本国政府及び国連宇宙部によるスペースデブリに関する共同声明」に署名しました。

日本政府は、昨年6月に採択された「宇宙活動の長期的持続可能性(LTS)ガイドライン」をもとに、国連宇宙部との協力し全世界に向けて宇宙ゴミについての関心喚起や既存の技術ガイドラインの実施に向けた活動を促進していきます。日本では、2025年に文科省とJAXA協力による「宇宙ゴミ除去衛星」の打ち上げが検討されています。

https://sorae.info/space/20200210-mofa.html

世界初の大型宇宙デブリ回収実験に日本が名乗り

宇宙航空研究開発機構(JAXA)は宇宙ベンチャーのアストロスケール社と共同で、世界初となる大型デブリ回収の実証実験に乗り出す。

このプロジェクトではまず2022年までに、過去に打ち上げられた国産ロケットの一部に同社の小型衛星を接近させ、精密画像などのデータを採取する。その後、一回り大きな衛星を打ち上げ、磁力を使って大型デブリを捕獲。大気圏に再突入させる際に熱で溶かして除去する計画で、アストロスケールは2025年までの商業化を目指すという。

https://www.newsweekjapan.jp/stories/technology/2020/03/post-92682.php

「みちびき」にデブリを追跡するための宇宙状況監視センサーを搭載する動き

日本が運用する「準天頂衛星システム(QZSS:Quasi-Zenith Satellite System)」、通称「みちびき」を構成する準天頂軌道衛星にセンサーを搭載するための予算が米軍において計上される見通しであることが報じられています。

米軍が計上する方針としているのは、みちびきに搭載される「宇宙状況監視(SSA:Space Situational Awareness)」センサー2つ分の開発予算と、これらのセンサーを使った軌道上でのテスト運用を支援するための予算です。

「宇宙状況監視」(または「宇宙状況把握」)とは、軌道上の人工衛星が他の衛星やスペースデブリ(宇宙ゴミ)と衝突するような事態を回避することを目的に、衛星やデブリの状況を把握するための取り組みです。今回の米軍における予算計上方針はセンサー搭載への動きが本格化しつつあることを示すものとみられます。

https://sorae.info/space/20200221-qzss.html