宇宙は今、再利用性の時代だ
宇宙で利益を上げることはむずかしい。地球から宇宙に「物」(貨物、機材そして人)を運ぶプロセスには多くのコストがかかる。これも、我々がロケットのリサイクル方法を知らないからだ。
60年前、スプートニク打ち上げで宇宙時代が幕を開けて以来、打ち上げられた宇宙船のほとんどは使い捨て型ロケット(ELV)であり、一度飛んだら終わりだ。ペイロード(観測機器など)を運び終えた宇宙船は地球に墜落するか、大気圏で焼失するか、単に「宇宙ゴミ」として軌道上に残るか、のいずれかの運命をたどる。
ロケットを再利用すれば簡単に解決する、思われるかもしれない。再利用ロケット(RLVs)という考え方は以前からあったが、ロケットの再利用が一筋縄ではいかないことは過去に証明済みだ。初めてRLVに挑んだのは、NASAのスペースシャトルプログラムだった。
現在、RLVの勢いが増していることは間違いない。RLVによって宇宙輸送の低コスト化が約束され、宇宙で新しい好機の世界を開くことができる。再利用化の時代が始まった。
https://newsphere.jp/technology/20170804-1/
SpaceXが公開した新宇宙船「スターシップ」は火星を目指す
スペースXのCEOイーロン・マスクが、火星を目指す宇宙船「スターシップ」の試作機を公開した。同社のロケットと同様に再利用可能で、帰還時は大気圏を横向きにダイヴするという。ブースターと合わせると「史上最大かつ最もパワフルなロケット」になるという同機で、マスクは月を、そして火星を目指す。
スペースXが民間として初めて液体燃料ロケットを軌道へと打ち上げたのは、11年前のことだ。ファルコン1を軌道に乗せてからの10年間で、スペースXは垂直離着陸ロケットを開発し、スポーツカーを宇宙に打ち上げ、今度はNASAの宇宙飛行士を国際宇宙ステーションに送り込もうとしている。こうした成果の一つひとつが、人類を火星に送り込むという最終目標へとマスクを近づけてきた。そしてついに、マスクは彼自身をも火星へと送り、帰還させるロケットを手にしたのだ。
https://wired.jp/2019/09/30/elon-musk-just-unveiled-starship-spacexs-human-carrying-rocket/
SpaceXの最初の有人宇宙飛行は早ければ2020年5月にも実施へ
SpaceXのCrew Dragonは有人宇宙飛行の実現にごく近いところまで来ている。先月にIFAと呼ばれる飛行中に乗員を脱出させるテストに成功し、主要なテストをすべてクリアした。SpaceXと発注者のNASA.はDemo-2と呼ばれる有人飛行のテストに進む予定だ。
SpaceXは2020年の5月7日にこの有人宇宙飛行テストを予定しているという。この日時は仮のものだが、ニュースを最初に報じたArs TechnicaのEric Berger(エリック・バーガー)氏によれば、スケジュールは遅くなることも早まることもあり得るという。
Demo-2はその名のとおりCrew Dragonにとって昨年3月に行われたDemo-1に続く2回目の実証ミッションだ。昨年のミッションでは、Crew DragonカプセルはFalcon 9で打ち上げられ、ISS(国際宇宙ステーション)にドッキングして物資を補給した後、大西洋上に安全に着水した。ただしこのミッションではカプセルは無人で地上から遠隔操縦された。今回は有人飛行であることが大きな違いだ。
https://jp.techcrunch.com/2020/02/12/2020-02-10-spacexs-first-astronaut-mission-could-take-off-in-may/
再利用可能な小型版スペースシャトル「ドリーム・チェイサー」、2021年に初飛行
小型版スペースシャトルと呼ばれる宇宙船「ドリーム・チェイサー」の製造が、最終段階に近づいている。米ネバダ州の航空機・宇宙船の開発製造会社「シエラ・ネヴァダ・コーポレーション(SNC)」が設計したドリーム・チェイサーは、2021年に最初のミッションを計画中だ。
スペースシャトルの4分の1ほどの大きさのドリーム・チェイサーの機体は、全長約9メートルで、再利用可能な宇宙船となっている。この宇宙船は国際宇宙ステーション(ISS)に物資を輸送するために開発され、将来的な有人飛行も視野に入れている。
製造の最終段階を迎えた今、SNCは貨物モジュールの製造を2020年2月までに完了し、2020年末までに左側の翼を完成させ、2021年1月には右の翼を完成させる計画だ。全てが順調に運べば、2021年にこの画期的な宇宙船が飛び立つことになる。
https://forbesjapan.com/articles/detail/30284
中国最大の再使用型ロケットの打ち上げに成功
2019年8月10日、青海省で実施した「RLV-T5」再使用型ロケットの打ち上げ実験に成功したと発表した。ロケットは、「超級火箭」(スーパーロケット」と名付けられ、打ち上げ用ロケットの開発に取り組む深センの民間企業の翎客航天科技とともに取り組んだもの。
「長江日報」などの地元紙は、「中国最大の再使用可能型ロケット実験に成功」として大きく取り上げた。ロケットは、重量1.5トン、高さ8.1メートルの再使用可能型試験ロケットとして開発されており、2019年に2度の低空(第1回は高度20メートル、第2回は40メートル)での打ち上げ回収実験の成功を経て、今回は高度300メートル超の打ち上げおよび回収に成功した。なお、着陸誤差は7センチメートル以内にとどまったという。
https://www.jetro.go.jp/biznews/2019/08/6a8bcbbd5bf0d743.html
コスト100分の1へ、再使用ロケットが壊す宇宙の常識と残る課題
近年、宇宙への輸送方法として SpaceX の Falcon 9などの再使用ロケットが注目されています。SpaceX CEO のイーロン・マスク氏の「再使用ロケットによって宇宙への輸送コストが 100 分の 1 に下がる」との発言は、打上げサービスにおける価格破壊への期待を高めました。
再使用ロケットとは、使い捨てが一般的なロケットと異なり、機体の一部または全部を再度使用するロケットのことであり ”Reusable Launch Vehicle (RLV)” ともいわれます。機体を複数回使用することにより、資源の節約や輸送コストの低下が期待されています。現在の技術力ではまだ難しいとされていましたが、近年のSpaceX などの登場によりロケットのメインストリームになる可能性が一気に高まってきています。
SpaceX の Falcon 9 をはじめ、使い捨てロケットを含めると大型ロケットの打上げサービスには多くのプレイヤーがいます。
SpaceX の登場も相まって市場全体で大がかりな価格競争に向かいつつあるといえます。一方で、打上げサービスにて50%のシェアを持つ老舗の Arianespace は、再使用化が最終的に信頼性と低コストの両立をできるか危惧しており、新型ロケットには使い捨て方式を選択し開発を進めています。
打上げにおける大きな流れは低コスト化で共通していますが、それは各プレイヤーによって様々であり、個性が現れやすい部分といえます。
また,国内でも,小型ロケットではインターステラテクノロジズやスペースワン,再使用型ではPDエアロスペースやSPACE WALKERなど民間のベンチャーによる盛り上がりを見せています。
今後の数年が宇宙開発の方向性を決める分水嶺になるといえるかもしれません。
https://sorabatake.jp/6690/
SpaceXの再使用可能ロケットは1回あたり約2億2000万円で打ち上げ
Elon Musk(イーロン・マスク)氏はイベントで米空軍中将のJohn Thompson(ジョン・トンプソン)氏と会話し、Starshipの打ち上げの燃料費は約90万ドル(約9800万円)、そして運用コストを考慮すれば1回の打ち上げ費用は約200万ドル(約2億2000万円)になるだろうと語った。「これは小型ロケットよりもはるかに安い」と同氏は付け加え、このシステムが「必然だ」と説明した。Starshipは最終的にはSpaceXのすべてのロケットに取って代わることを期待されており、一度完成して飛行すれば、最終的にはFalcon 9やFalcon Heavyよりもはるかにコスト効率のいい運用ができるはずだ。
https://jp.techcrunch.com/2019/11/07/2019-11-07-elon-musk-says-spacexs-starship-could-fly-for-as-little-as-2-million-per-launch/
ロケット・ラボ、エレクトロン再使用に向け打ち上げ実験
米ロケット・ラボは次回の打ち上げミッションにて、ロケット再使用に向けた実験を実施します。
小型ロケットのエレクトロンは2段式のロケットで、小型人工衛星などを軌道へと投入する能力があります。さらに、現在はその第1段のブースターを空中でヘリコプターにより回収する計画がすすめられています。そして次回のミッション「Running Out Of Fingers」では、エレクトロンにてフルテレメトリ(飛行情報)を取得しながらの再突入が実施されます。具体的にはSバンドテレメトリやコンピューターシステム、反応制御システムが搭載されています。
このようなロケットの再使用は、米スペースXやブルー・オリジンがすでに実施しています。しかしロケット・ラボのCEOは、エレクトロンで同じことをするには機体を大幅に強化する必要があると述べています。
https://sorae.info/space/20191203-rocket-lab-2.html